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2013年08月26日 スンダ海峡大橋、日本勢の参画なるか

 

 1万7千を越える島嶼国家のインドネシアで、世界的な海峡プロジェクト“スンダ海峡大橋”が動き始めるかもしれない。初代スカルノ大統領時代から 建設計画 のあったスンダ海峡大橋は、ジャワ島とスマトラ島を結ぶ全長約30キロ、総事業費約2兆円ともいわれる海峡大橋であり、実現すれば両島を約20分で横断可 能となる。
 物流ネットワーク強化の必要性は現地周辺を見れば一目瞭然であり、日本企業が多く進出しているメラク周辺の工業地域では、相変わらず交通渋滞が酷く、フェリーが寄港するメラク港では、積荷車輌が数日待ちの状態が続いている。
  内外の世論も海峡大橋建設に期待を寄せている。2009年、ランプ州とバンテン州が公表したフィジビリティ・スタディ調査の結果を受けて、政府が関連組織 を設置したことや、同年に開通したジャワ島とマドゥーラ島を結ぶスラマドゥ橋の完成は、海峡大橋実現への気運をさらに高める要因となった。
 任期満了が1年後に迫るユドヨノ大統領は、業績を残すため架橋を戦略的に推進すべきとの考えを示しており、先の燃料価格の引き上げなどで支持率が低迷する中、大統領はどのような決断をするか、注目が集まる。
  一方、実務的には、地盤や潮流といった施工に必要な調査設計が実施されておらず、着工されたとしても完成までには10年以上の期間が必要である。例えば、 明石海峡大橋(全長約3900メートル、総事業費約5000億)の場合、その建設に約11年の歳月を要している。そうした中で日本企業に何が出来るか、少 し考えてみたい。
 この海峡大橋の建設が決まれば、世界屈指の橋梁技術を有する日本企業の参画の可能性は非常に高いと考えられるが、中国や韓国を はじめとする外国勢も既にインドネシア政府への働きかけをしているため、今後も日本政府と企業、官民一体となってアプローチして行くことが不可欠である。 また、技術力のアピールはもとより、資金調達の手段や維持管理、さらにはITSの導入なども含めたパッケージでアピールしていくことが重要である。
反 して、港湾、海運業界への参入も同じく期待したい。船舶数、貨物量とも増加傾向にあるインドネシアだが、船舶、港湾施設は十分に整備されておらず、建設区 間で就航している船舶のほとんどが日本の中古船といった状況である。海峡大橋完成までの間、さらに増加が見込まれる交通需要を効率的にさばくうえで、日本 の機能的な新造船を貨物取扱能力を増強した港湾に就航させれば、橋梁架設の華やかさに目を奪われている感が否めない政府の目を覚ますことに繋がるかもしれ ない。当然、日本の本四フェリーと同じく、橋との競合問題が生じることも考えられるが、長距離フェリー網を橋の建設前から確保しておくことにより、効率的 な輸送ネットワークが確保されるのではないかと考えられる。
 内需が低迷する中、日本企業の技術力の維持と発展には、海外での活躍が必要不可欠であり、様々な視点からその活躍の場を見いだし、実践してもらいたい。

三木啓司(Serendipity Japan)

 

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