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2013年05月27日 東南アジアで絶えぬ紛争、日本も知恵を

 先月のパプアに続いて、東南アジア諸国の紛争に関して考えてみたい。先日、ミャンマーでビジネスを展開する企業の方が、投資を呼び込む上で最も心配な点 は、国内の民族・宗教による住民同士の武力衝突による不安定な治安だと語っていた。東南アジアは、安倍政権も最重要地域と位置付けており、今後、経済的に も、安全保障の観点からもより一層の関係強化を図っていかねばならない地域である。しかし、多くの日本人は、東南アジア各地で宗教・民族対立の構図で語ら れる武力紛争や分離独立運動が未だに存在し、各国の政府は対策に手をこまねいている、という現実を知らない場合がほとんどである。日本人が知らない忘れら れた紛争の解決は、ASEAN全体の持続可能な安定と発展に欠かせないため、一刻も早い紛争解決・平和構築が望まれている。
 いくつかの対立事例 を挙げてみたい。ミャンマー詣でが著しい昨今、各地でイスラーム教徒と仏教徒の対立を煽るような動きがみられ、ヤンゴン市内においても単なる火事ですら、 どちらかの宗教グループの仕業であるとのうわさが起こる始末である。資源の多いカチン州一帯は、森林伐採、金や翡翠の採掘など中国の影響が強く、カチン族 とミャンマー国軍の停戦に向けた協議を中国が主導するなど、政治的な色合いの濃い関与が目立っている。現在は協議自体の動きが止まっており、行き先がみえ ない。
 タイでは、マレーシアとの国境付近のパタニ・ヤラー・ナラティワートの3県で長年マレー系住民による分離独立運動が続いている。2004 年から再燃している武力行為によって5000人以上の犠牲者を出している地域である。今年の2月末にタイ政府とマレー系武力勢力との停戦にむけた交渉が始 まったが、未だに爆弾事件等の暴力は絶えない。
 大量の国内避難民を出し、長年にわたって続いているフィリピン南部のミンダナオ島やスールー諸島 で起きている分離独立運動も、和平合意の枠組みができつつあるが前途多難だ。バナナでお世話になっているミンダナオ島では、紛争の解決にむけた支援を日本 も行っているが、目立った成果は見えていない。
 インドネシアでは、先月の記事にも書いたパプア問題に始まり、ジャワ島を中心に起きているイスラーム過激派のテロ行為、また、アチェ、アンボン、ポソなど紛争後の地域での住民同士の摩擦などが続いており、不安定要因はいまだに数多く残っている。
 マレーシアは、今月5日に投開票が終わり、現政権が継続されることになったが、この選挙戦からも分かるように華人の不満は募っており、対立構図が明らかとなっている。
 上述した紛争やその火種となるような問題は、東南アジア各地でみられる。日本が、東南アジアと連携していくためにも、経済だけではなく、紛争解決・平和構築にむけて共に知恵を出し合い、我々ができる役割をあらためて考える時期にきていると思う。

堀場明子(Current Asia)

 

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