ASEAN経済通信 無料トライアル

ミャンマー語教室生徒募集中

ASEAN経済通信

メンバー専用

ユーザID

パスワード

 

ユーザID・パスワードを入力してログインしてください

2013年07月22日 デング熱が例年以上に流行

 

 デング熱の流行が続いている。ミャンマーで雨季のデング熱といえば、日本の冬場のインフルエンザのように、1年でも特に警戒される季節病だ。今年のデング熱は例年以上の流行となっているようで、各地での流行状況を伝える報道が絶えない。
  それによると、6月末の時点で全国の感染者数は合計6000人以上に達し、その後も増加を続けている。過去10年間で最悪の流行だったのは2009年で、 感染者2万2893人、死者181人。その後の感染者数は2010年に1万6318人、2011年に4738人、2012年は6433人と落ち着いていた が、今年は数年ぶりの流行となっている。
 感染者の数もさることながら、今年のデング熱は大人でも発症することが特徴だという。通常ならば、デング熱は子供のうちにかかるだけで、大人になってから感染するのはまれ。しかし今年はどういうわけか、大人の感染者も多いと言われている。
 流行はモン州とヤンゴン周辺地域で特に多い。実際、ヤンゴン在住の知人にも感染者が何人か出てしまっている。その中には、デング出血熱の段階にまで重症化したケースもあり、体調管理と感染予防とにまったく油断ができない状況である。

感染源は蚊、水管理に注意必要

 デング熱の感染源は、日本でもよく知られているとおり蚊である。ヤブカの一種であるネッタイシマカという蚊がウイルスを媒介するという。雨季になると、産卵場所となる水たまりが町中に増え、気温と湿度もこの蚊の活動に適した気候となる。
  したがって、予防のためには蚊の発生を防がなければならないのだが、ヤンゴンでは住宅内部の作りに問題を抱えていることに気付く。どの家も開放的な作り で、蚊が侵入しやすいという問題がまず挙げられる。これには蚊帳か網戸を設えて対策するしかない。これに加えて厄介な問題は、各家庭で使用する水である。
  ヤンゴンの一般的な集合住宅では水道インフラが貧弱で、蛇口をひねれば常に水が出てくるという環境にはない。水を使うには、まずポンプで水を汲み上げ、部 屋ごとに設置された貯水タンクに溜めなければならない。その後は、このタンクから水浴び用の貯水槽やトイレ、台所に配水する作りになっている。
  貯水槽には水を貯め置くし、非水洗式のトイレでも、流したり手を洗ったりするために、やはりバケツ等に水を貯めて置く。つまり、室内に常時水が溜まった場 所を作らざるを得ないのだが、これが蚊の産卵場所にされかねない。蓋をしておくとか、使わないときは水を抜けばいいのだが、少しでも怠るとあっという間に ボウフラが発生して水中を泳ぎ回っている。
 南国の蚊の生命力に感心もさせられるが、今年のようなデング熱の流行を思えば、やはり感染拡大のため に、水の管理に注意しなければならないだろう。このような注意喚起は、本来なら行政が積極的に行うべきだが、そのような動きはまず見かけない。このような 事からも、ヤンゴンのインフラと行政上の問題点を痛感させられる。

上智大学大学院  石川和雅

 

これより先をお読みになるには、ASEAN経済通信購読者アカウントが必要です。
購読者アカウントをお持ちの方は、こちらよりログインしてください。

試し読みを希望される方はこちらよりお申し込み下さい。

ASEAN経済通信 無料トライアル

購読のお申込(有料)は以下から行えます

ASEAN経済通信 ご利用申込