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2013年04月30日 開発前夜のダウェー経済特区

   ヤンゴン空港を離陸して、約1時間。ふと機外に目をやると、眼下には見渡す限りに長大な砂浜が伸びていた。ミャンマー南東部、アンダマン海に面したタニン ダーイー管区の海岸線である。その直後、人工的に区画された広大な土地と、山中を切り開いて東へ向かう道路が伸びる光景が、砂浜に取って代わった。 2016年の第一期部分稼働開始を目指して建設工事が続けられているダウェー経済特区の計画地、巨大プロジェクトの開発前夜の光景だ。ダウェーにおける経 済特区の建設計画は、2010年11月にミャンマー運輸省および港湾局と、タイの大手ゼネコン・イタリアンタイとの間で計画への合意がなされて以降、本格 的に動きだした。大型船の入港が可能な深海港と、それに隣接する工業団地を造成し、高速道路と鉄道でタイに繋がる陸上交通網を整備する。ミャンマーとタイ の間には、南北に連なるタニンダーイー山脈が走っているが、これを横断してしまえばダウェーからタイのカンチャナブリーまで約230キロ、バンコクまでな ら約330キロ程度の距離である。しかしながら、計画に必要となる巨額の資金調達に難航し、計画の遅延や縮小が度々報じられている。

深海港、現状では想像つかず

  問題が山積する計画地だが、現地へは意外にもあっさり到達することが可能である。空港があるダウェーの町中から計画地までは、バイクか車で約1時間。ダ ウェーを出て北西に山越えの道を30分ほど進むと、ビーチで有名なマウンマガン村に達する。そこからさらに北へ向かう未舗装の道を30分ほど行くと、茫漠 とした計画地に行き当たる。道中には特に検問などはなく、近隣の村に住む住民もバイクで普通に通行している。
 計画地といっても、今はまだ見渡す 限りの更地のままだ。作業中らしいトラックやショベルカーも時折見かける程度。ただ、将来の幹線道路となるだろうまっすぐな道が海に向かって伸びている。 その先端は、一面の砂浜である。ちょっとした休憩所があり、その足元にはアンダマン海からの波がひっきりなしに打ち寄せている。この一帯が深海港の建設予 定地とのことだが、現状の光景から想像するのはなかなか難しい。

補償問題は未解決

 「幹線道 路」沿いに来客者向けの施設が作られている。VIP用の宿泊施設や会議場、そしてビジターセンターがある。ビジターセンターは一般の来客者向けに開放され ており、ダウェー経済特区計画の詳細がパネルや模型で展示されている。計画に伴う地元住民の移住計画についても説明があり、移住先の新村に建設した家屋の 原寸大レプリカも展示されている。解説によると15カ村4000世帯以上の移住が必要で、その大半は既に完了しているようだ。ただし、移住補償をめぐる問 題が未解決であるとの報道も多い。
 計画は既に後戻りができない段階にまで進んでいるように見えるが、資金調達や住民への補償問題を解決し、本格稼働を実現できるだろうか。

上智大学大学院 石川和雅

 

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