株式会社ファーストリテイリング 様

株式会社ファーストリテイリング 様

世界一に向け出店攻勢


北京・三里屯(サンリートン)店。
 ファーストリテイリング(9983)がアジアへの「ユニクロ」の出店攻勢を加速する。同社は2009年8月期に6850億円だった売上高を2020年に5兆円とする目標を立てているが、このうち国内ユニクロ事業は1兆円で09年比約2倍とする一方で、海外ユニクロ事業は3兆円と同約80倍に拡大する計画。中でもアジア・中国は2兆円とし、グローバル展開の成長エンジンと位置付ける。09年11月末時点のアジアでの店舗数は中国41店、香港12店、韓国42店、シンガポール2店。中国では早急に100店体制とし、その後は年間100店のペースで拡充していくほか、韓国でも100店体制へ向けて店舗網を広げる。シンガポールでは09年12月に3店目をオープンし、今後の東南アジア展開の足がかりとする考えだ。

 

 ユニクロのアジア進出は、積極的な出店に重点を置いている。アジアでは日本ブランドに対する認知度や信頼感、ファッション性への評価が高いことのほか、主な生産地が中国であり、物流面からも域内の販売拠点拡大で効率性向上を図る。同時に、ユニクロ商品の品質のメッセージを世界同時発信するグローバル・マーケティングとして、プリントTシャツやヒートテックのキャンペーンを実施するなどブランドの定着に努めている。

 

 ユニクロの業態は、商品企画から生産、物流、販売まで一貫して関与する製造小売業(SPA)として有名だが、生産面では素材メーカーや生産工場と「がっぷり四つに組み、お互いのビジネスを拡大する」ことで品質向上を追及する。素材メーカーとは原料選びから協力し、全量を買い取ることでコスト引き下げにも成功。全量買い取りによるリスクをとる一方で、売価変更による在庫コントロールなども行う。工場へは「匠チーム」と呼ばれる日本人ベテラン技術者を派遣し、縫製や染色などの技術サポートを行っている。こうした「匠」は現在約40人。生産工場は長期的に付き合うパートナーとして積極的なサポートを行い品質管理を徹底する。取引先は世界のSPA大手としては少ない70社ほど。生産は約9割が中国だが、店舗網の拡大に伴いバングラデシュなどの生産量を増やすことで対応し、中国の割合が相対的に引き下がる計画だ。生産事務所は上海と深セン、ホーチミン、ダッカにある。

 

 今年春には中国で、世界最大級のグローバル旗艦店を上海にオープンするほか、ロシア1号店としてモスクワへも進出予定。世界ナンバー1のアパレル製造小売企業を目指し、今年も挑戦を続ける。(M)