P.T.日立建機インドネシア 様

P.T.日立建機インドネシア 様

インドネシアから世界品質


油圧ショベルの上廻りのライン
(手前)と下廻りのライン(向こう)。
両ラインが1ラインに合流し完成
する。
 日立建機(6305)のインドネシア現地法人、P.T.日立建機インドネシア(HCMI)の販売が好調だ。同国では建設・土木用だけでなく、鉱山向けやパルプ用木材の処理などでも需要が拡大しており近隣諸国向けに輸出も行う。金融危機に際してはマイナスの影響をまともに受け、「2009年1~2月は生産がほぼゼロになりその後の見通しも全くたたなかった」(岡安修哉社長)。中国に先導される形でアジアの建機需要が回復してくると、同国でも09年7月頃から一気に注文が増加。景気の上昇をとらえた顧客らがこれまで控えていた投資に向き、大口受注が相次いだという。09年度の油圧ショベル販売見通しは1700台強で過去最高水準まで回復し、このうち約200台をタイ、約100台をマレーシアにも輸出。直近では生産能力ぎりぎりの1カ月200台超えの生産が続くとみる。同社は、油圧ショベルだけでなく800トン級の超大型ショベルの本体フレームやバケットなどのコンポーネント、建機以外では変圧器用設備や生産ラインコンベアなどの多様な製品を手がけることも強みだ。

 


大規模鉱山などで活躍する超大型油圧
ショベルのローディングバケット。
1杯で11トンダンプトラック約6台分を満載に
する。
 HCMIが油圧ショベルの生産を開始したのは1993年からだが、ここ数年の成長軌道に至るまでは約10年を要している。ジャカルタ郊外にあるチビトン工場が稼働開始した当初の5年間は草創期ともいえるもので、次の5年間は需要低迷に苦しみ生産台数が半減。好調な同国経済などを背景に次の5年で販売を伸ばしたが、09年に完成した最新の第4工場の建設には社内からも慎重な意見が少なくなかったという。現在のチビトン工場の面積は19万7000平方メートル。油圧ショベルの2工場、コンポーネントを生産する2工場の合わせて4工場が縦に並び、正門からの奥行きは1キロ近くに達する。

 

 チビトン工場内に掲げられた「Made by Hitachi」のスローガンには、世界中の各工場で共通に、優れた「日立品質」を作り上げるとの思いが込められている。ブカシ工場を含めたインドネシアの両工場も同様で、世界標準の製品を生産し米国やカナダなどの市場にも輸出。そうした技術を支える人材は、正式採用まで4年程度かけてじっくり仕込み、各セクションで従業員それぞれが自らの仕事に誇りを持つまで育てる。「インドネシアの人材は従順でまじめ。いかに能力を高めるかがポイント」(同)というように、手先の器用さや目の良さを含め、タイやベトナムなど競合国の人材に引けをとるものではない。インドネシア市場の潜在性だけでなく世界レベルの技術が、HCMIの成長を後押しする。(M)