セイコーウオッチ株式会社 様

セイコーウオッチ株式会社 様

東アジアと日本を一体化


杭州にオープンした「セイコーブティック」
 セイコーウオッチは、日本を含めた東アジアを一体の市場としてとらえ、商品・広告戦略を加速している。市場規模と成長性で地域の重要性が高まるとともに、現地の消費者の嗜好も多様化。従来、日本国内が中心だった高級品にも注力するとともに、商品・広告などの経営資源を共通化して内外での売上増を図る。

 

 2006年に高級品の拡販に舵を切った。従来アジア地域での販売は普及価格帯モデル機の構成比が高かったが、所得向上に伴う中間層・富裕層の拡大で中国市場を中心に入門機種から中・高級品まで揃えることで営業を強化。海外セイコーブランドの売上高は2010年に全体の43%と前年比2%アップ、地域別の売上高ではアジア・豪州・中近東の合計が28%と同3%上回り、拡販の成果が実績にも表れ始めている。また、海外と国内事業それぞれ分かれていた組織も大幅に改編。営業、企画ともそれぞれ同一の本部内にまとめ、横のつながりを強化することで戦略を共有する。

 

 東アジアは、日本のファッションの影響などもあり嗜好の近似性があることが特徴だ。地域共通モデルの女性向け主力ブランド「ルキア」では、女優の黒木メイサをキャラクターとし、広告表現なども各国で内容を統一した。アクセサリー感覚で着けられる「ティセ」では佐々木希を開発アドバイザーに迎え、アジアの若い世代にファッション性を訴求する。ティセ(アジアでは「ヴィヴァーチェ」ブランド)はこれまでも日本国内で展開してきたが、中国などでの市場調査結果もデザインに加味し強化した。男性向けでは俳優・歌手の王力宏(ワン・リーホン)を広告キャラクターに抜擢。中華圏で絶大な人気を誇るセレブリティの起用で現地販売だけでなく、中国などで広告を見た消費者が日本を旅行した際に買い求めるシャワー効果をねらう。

 

 高級品としてのセイコーブランドの象徴「グランドセイコー」は、2010年に本格的なグローバル展開に踏み切った。高級時計といえばスイス製が確固とした地位を築いているが、これに肩を並べ各国の宝飾店や高級百貨店などで販売を開始。アジアでも時計専門家の間では知られた存在だったが、今後はフェースブック運営などを通じて広く消費者レベルへも浸透を図る。

 

 販売面では、現地有力小売店との連携により販売スポットを拡大中だ。在庫リスクの軽減というメリットもあり、中国では3年後をめどに販売拠点を倍増させる考え。さらに、ブランドイメージの育成に向けて、専門店「セイコーブティック」を杭州に昨年オープン。セレブを登用した広告戦略やジャーナリストらへの商品紹介活動などと合わせ、多角的な販売戦略を推進している。