電源開発株式会社 様

電源開発株式会社 様

海外発電は「第2の柱」

 電源開発(J‐POWER・9513)は、海外発電事業を「第2の柱」とするため、取り組みを強化している。日本国内では電力需要の伸びが年率1%ほどと頭打ちとなる中、アジアを中心とした海外での電力ニーズは目覚ましい。海外での50年以上の実績とノウハウをもとに、これまで以上に展開を加速していく考えだ。

 

 海外発電事業では10月、インドネシアの石炭火力発電事業で、J‐POWERが34%出資する事業会社がインドネシア国有電力会社(PLN)と長期売電契約(PPA)を締結したばかり。同案件は伊藤忠商事とアダロ・パワー社との合弁による独立発電事業(IPP)で、中部ジャワ州で合計出力200万キロワット(kW)の石炭火力発電所を建設するもの。投資額は約40億米ドル、出力ではJ‐POWERの橘湾火力発電所(徳島県阿南市)や松浦火力発電所(長崎県松浦市)と同規模であり、インドネシアでは最大規模の石炭火力発電所となる。また、同国で初めて、環境性に優れた超々臨界圧技術を用いるほか、インドネシア産亜瀝青炭を使用する予定であることも特徴だ。

 

 東南アジアではタイでの実績が豊富であり、これまでに運転中の案件は9件、設備出力277万kW(持分出力102万kW)。このうちバンコク北東のサラブリ県にあるカエンコイ2発電所(ガス、146.8万kW)は、IPPとしては同国最大のガス火力発電所。同じくタイで運営するインデペンデントパワー(70万kW)とともに同国の主要電源となっている。このほか、サラブリ県とアユタヤ県でそれぞれ160万kWの大型ガス火力発電所の建設・運転を予定している。

 

タイのカエンコイ2発電所

 

 タイでは小規模発電事業(SPP)も多く展開しており、北東部ロイエット県ではもみ殻を、南部ヤラ県ではゴム木の廃材を利用したバイオマス発電所を稼働する。いずれも地域の産業から生まれる資源を有効活用するもので、二酸化炭素の排出削減に貢献している。

 

 海外事業は、自社が開発・運営に関わる発電事業のほかに、電源開発や環境保全などの技術協力を行うコンサルティング事業を展開する。コンサルティングは1962年以降、計63カ国・地域で318件(2011年3月末現在)を実施。発展途上国の開発課題への技術協力として、また発電事業へのステップとして積極的に関わってきた。

 

 事業内容は、日本政府の援助案件に関わる基礎調査や事業化調査(FS)、基本設計などのほか、外国政府機関や民間企業と直接契約する設計、施行監理など商業ベースのものが含まれる。最近では省エネルギー意識の高まりから同分野の案件が増加中。照明や空調、チラーといった電気設備などを効率化するため、インドネシアやベトナム、トルコ、中南米で取り組みを進める。省エネ関連事業は日本政府も支援に力を入れている分野。発電能力の拡大ばかりに注力してきた現地当局も、省エネの推進と制度整備の重要性を認識し始めておりニーズはさらに高まりそうだ。