地元経済を強くし日本経済を発展

地元経済を強くし日本経済を発展

衆議院議員 片山 さつき 氏



――選挙をご自分でおやりになった感想は…。

片山 完全なドブ板選挙を展開させていただいた。握手の回数を数えてくださった人がいて、多い日は一日二千三百五十回握手をした(笑)。また、一日十五回〜二十回程度、各地で街頭演説を行った。

――その結果、小選挙区で勝った…。

片山 それが大切だと思う。比例一位だと小選挙区では勝ちにくいものだが、ポイントは、自民・公明党を抑えていれば勝つという事。例えば、私の選挙区の静岡七区では、自民党の六二%、公明党の七二%が私に投票していただいたが、これが五分五分だと勝てない。小池百合子氏の東京十区は、公明党は一〇〇%に近く、自民党は七〇%。堀江氏の場合、党の公認ではなく無所属だったため、もっと少なかったことが勝敗を分けた。

――それをきちんと抑えた理由は、やはりドブ板選挙の成果か?

片山 加えて、自民党県連、県議が無所属候補を支援する中で、無所属の有力な保守系県議がついてくれた事も大きな力になった。また、小泉首相が応援に駆けつけていただいたことにより、ビジネスの町である静岡七区に『正当な候補はこの人なんだ』という事が大きく位置づけられた。そして、その後に実際に選挙区を回って私の話を聞いてくれた人が、『この人が正当な候補として、よりふさわしい』と、次々に支持に回ってくれた。支部長も県議も、全員対立候補についていた中で、支部長の奥様が私を支持してくれたり、有力県議の中でも、後援会の有力者が初めから『これは片山しかない』と応援してくれた。そして何といっても経団連の全面支援が大きい。とりわけトヨタグループが全面支援してくれた。静岡七区の中の湖西市というところは地方性が強い社会で、トヨタ、ヤマハ、ホンダ等の工場がたくさんある。当然、組合員は連合だが、そういったことを差し引いても、その辺りが動いているだけで湖西市全体がぐぐっと動く。実際、湖西市では一五〇〇票くらい差をつけて勝つことができた。

――やはり、片山さんならば、地域が活性化され、経済も発展するだろうと…。

片山 私は、直前は財務経済官僚。相手候補は元外交官。どちらが経済に強いかということで、七区の方々は私を選択してくださったと思う。こうしたことを含めて、自分の場合は演説会に出れば出る程、実際に話をすればする程、支持層を広げた。起業家などで冷静な判断をする人は、かなり前から私を支持してくれていたが、どうしようかと考えている人に関しては、実際に会って話すことで支持を得た。公示入り前に行われたテレビ討論もプラスに作用した。このため、党本部は日を追うごとに露出を増やそうと企画したのだと思う。

――そういった事から、マインド面で日々、国会議員になっていった…。

片山 その通りだ。小選挙区に出馬することは、短期間で官僚から政治家になるためには大変良いことだと思う。今回、自民党の人気が大変な勢いで増え、そんな中で浮動票になっている人はみんなアンチ小泉といった様相だった。このため、自分はむしろ保守層、本流のところを抑えたから勝てたと思う。浮動票やバブルというところは確かにあるけれど、それよりも固定層の方がはるかに大きいと分析している。

――地元を回り、日々、財務官僚から政治家へと変身していった時に、この先のことに対する考えの変化などは…。

片山 最初にマニフェストとして掲げた、郵政を突破口にした行財政改革、地域再生、子育て支援など、大きな政策ターゲットは当初とは変わっていない。ただ、工業地帯の地盤強化、東海地震用の治水対策はどうするか等といった地域の具体的な問題が良く見えるようになってきて、これがテーマとして加わった。この点、比例でも民主党が復活していないので、今後、そういった地元の事を全部、私一人で扱うことになり、責任も大きいと自覚している。

――地元の期待を一身に荷うことになる…。

片山 地元の活性化という私の意志も伝わり、県知事や市長町長も、選挙が終わった今では、もう既に一緒にやっていこうという気持ちになっており、ねじれ現象も解消し、自民党員として経済発展のためという共通の意識になっている。

――公共事業への考え方は。

片山 補正の公共事業、工事のための工事というものは今はもう無い。あとは、始めてしまった第二東名の最後の仕上げをどうするか。その他は、安全性や環境問題からみて必要なもの等しか残っていかないため、公共事業で地元を活性化させていくという従来の考えに頼っていては駄目だ。

――お金ではなく、知恵を使って地域を発展させていく…。

片山 産業再生特区、IT、オプティカルファイバー等、地域を発展させる政策はたくさんある。特に農林漁業においては、行政や政治でやることが無くなることはない。食の安全、BSEの問題、これからFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)になった時の攻めの農業など、進めなければならない仕事はたくさんある。

――一方で、防衛庁の問題などは…。

片山 すでにお金の枠は決まったので、あとは、防衛庁の省への昇格といった彼らの悲願や、国際任務を位置づけた場合に自衛措置がとれるかどうか、などといった問題を片づけなければならない。もちろん、その延長上には憲法九条の問題もあるかもしれないが、まずは、国際任務の位置づけを具体的にどうするか。実際、米軍再編については、国のトップ同士が会談しなければならない程、具体策に入ってきている。

――郵政民営化をはじめとする構造改革については…。

片山 次は市場化テストをどのように進めるかが最重性課題だと思う。今や、法務省の刑務所内業務といった、一番、公権力の行使に近いと言われていた業務すらが民営化されている。そういうことを考えると、昔から言われているハローワークや社会保険庁関係、管理統計調査業務等、業務を洗い出して、誰の目から見ても無駄と思えるところを大胆に民営化すればいい。その一方で、もちろん、質は維持して欲しいという声は多い。例えば、医療の分野で、小児科医がこれ以上減ったり、手術の下手な人ばかりが増えても困るため、単にコストを下げるといったことではなく、内容ごとに吟味していく必要がある。

――やらなくてはいけないことはたくさんあるが、あえて先ず、国会議員としてやるべき事を挙げると。

片山 地元の経済を強くして、日本の経済力を強くするという事だ。特に自動車産業と農林漁業。林業は商売として成り立っていない状態で、農業は攻めの農業としてこれからの担い手をどうするか等といった問題から始まる。役人の時からの知識を基に、あとはどう動けばいいのかをすでに実務的に考えている段階だ。また、金融については中長期的に私の政策テーマのひとつとして積極的に関わっていくつもりだ。

――最後に、金融界に一言。

片山 日本経済も、私の地元の経済も、グローバル化して強くならないと生きていけない現実を踏まえ、日本の国益を守るということと両立させなければならないが、その両立は可能だ。この点、静岡七区は金融業界がとても健全で、グローバルに展開できるビジネスが切磋琢磨して成り立ち、そこに融資してきた金融界が健全に経営されている。産業界と金融界は共に、表裏一体の関係だ。今回の選挙で銀行業界、金融界が私を応援してくれたように、私も今後とも金融界を応援していく心づもりだ。