ホーチミン証券取引所副社長 ファン・ティ・トゥング・タム 氏

ホーチミン証券取引所副社長 ファン・ティ・トゥング・タム 氏

ホーチミン株式市場を活性化



――ホーチミン証券取引所の将来展望についてお聞かせ願いたい…。

タム まずはインフラ整備面に力を入れたい。証券取引所の一番コアな部分となるので、これからもっと力を入れていきたい。年内にまずIT(情報技術)システムを整備しつつ、現在の注文システムをオンライン化する。オンラインを通し今年の第4・四半期には、これまでのような立ち会い取引から、証券会社、お客さんから直接発注できるようにしたい。これについては、タイの証券取引所から技術面での支援を受けている。それ以外に、法律面も整備していてうまくシステムが展開できるように準備を進めている。個人投資家も含め、取引が増えている中で、こういうシステムインフラの整備に力を入れることによって投資がさらに増加することを願っている。中長期のインフラ整備の計画についてはまず、発注受注システムの整備、決済システムの整備、株式の電子化といった総体的な整備をしていきたい。できれば、近い将来に先進国の証券場並のレベルに引き上げていきたい。それ以外に人材育成や外国の証券所との提携も考えている。

――業務提携だが、日本の東証や大証との提携は何か考えているのか…。

タム まずはアセアン諸国の中の証券取引所との提携を展開していきたい。タイ、シンガポール、フィリピンといったところと重点的にやっていきたい。東京証券取引所とは昨年、覚書(MOU)を交わした。お互いに情報交換をし、東証からは技術面での支援を仰いでいる。東証も大証も一度訪問したことがある。

――現物株については何銘柄ぐらい上場させる見通しがあるのか…。

タム 現在の上場会社数は150余り。上場申請を受理している会社は20銘柄。年末までに、この20銘柄は追加上場できると思っている。市況次第だが市況がよくなれば、20銘柄以上上場できるだろう。

――現在、株価は下落しているが、下落の局面でも上場は可能なのか…。

タム 確かに、マーケットの現状は良くないが、上場基準さえクリアできれば上場できる。我々もそうした意欲を持った企業に上場してもらいたいし、先日、一社上場したばかりだ。

――先物市場を上場させる考えはあるか…。

タム 先物取引については現在検討中だ。法律面では一応織り込まれているが、すでに設置済みの関連の研究開発部署から具体案を年内に国家証券委員会に提出できるよう準備している。

――先物の取引開始はいつ頃になりそうか…。

タム はっきりした期日は申し上げられないが、法整備、インフラ整備ができ次第、上場させたいと思っている。

――ベトナムの株価は低迷している。日本の投資家に期待するところは…。

タム ベトナム市場に関心を持つ日本人投資家は多いし、実際、これまで多くの日本人投資家にも会ってきた。機関投資家、ファンド、個人投資家、口座開設のための旅行者などだが、ベトナムを訪れる投資家の数に比べて、投資金額、口座はそんなに多くない。将来、有望な投資家の一つとして期待している。マーケットは一たんは下落したが、最近少し戻してきている。日本の株式市場は我々よりも何十年もの経験がある。日本人投資家はベトナムにたくさん投資することによって、ベトナム証券取引所の発展に貢献することもできる。

――日本の投資家がベトナム市場に参加するにあたり、ディスクロージャーやマーケットの透明性、あるいはマーケット情報が強化される必要があると思うが…。

タム 現在、我々はディスクロージャーや市場の透明性について各国の基準に沿う形でルール作りを進めているところだ。そのルールに従って、ディスクロージャーや市場の透明性を当然高めていくつもりだ。昨年、世界貿易機関(WTO)に加盟したし、今後、そういったところをもっと強化しなくてはいけない。そうすることで市場が効率的になり、日本の投資家のみならず、全ての外国人投資家にとって魅力的なものになるのではないか。こういった点を今後強化していきたい。

――日本の投資家は新規上場に興味を持っている。今年、新規上場する国営企業は何社ぐらいあるのか…。

タム 国有企業が株式化し株式会社になった例がこれまでにも数多くあった。今年、国営大手銀行のベトコムバンクも株式化を実施中で、年内上場に向けて手続きを進めている。それ以外の国有企業のIPOだと、携帯電話キャリアのモバイフォンとか投資開発銀行、農業地方開発銀行なども年内か来年初めに株式化する予定だ。もう少し規模の小さいところも株式化する予定だし、すでに株式化し株式会社になったところも年内になんらかの増資をするのではないかと思っている。

――ベトナムの株式指数の今後の見通しは…。

タム 現在、政府が短期的、長期的に実施している経済政策に照らして考えれば、長期的にはベトナムの株価指数は上がっていくのではないか。短期的には、さまざまな資金の動きなどで上がったり下がったりは当然あり、上げ一辺倒というわけにはいかない。しかし長期的には、経済の成長とともに株価指数もやがては上昇していくと考えている。