参議院議員 林 芳正 氏

参議院議員 林 芳正 氏

日本経済再生へ戦略プログラム


――自民党政調会の日本経済再生戦略会議で、戦略プログラムの中間報告を公表した…。

 中間報告では今後3年の日本経済再生のシナリオを明示した。第一に喫緊の課題である雇用対策、中小企業の資金繰り問題を早急に解決する。第二に、グリーン経済社会システムの構築、21世紀型のインフラ整備・システム開発、健康長寿と子育てを支える質の高い生活コミュニティの形成を実現するため、主要10項目を選定し重点的に取り組む。第三に、雇用の創出、安心安全の実現と民間主導の経済活性化、地域活性化の基盤作りを図るため12分野で集中的な対策を実施する。これらの対策により2010年中には主要な経済指標をプラスに転じさせ、今後3年で200万人の雇用を確保し、内需中心で3%程度の成長を目指すとした。

――具体的な対策としては…。

 一つの目玉として低炭素化を取り上げたが、その具体例として全国の公立学校の校舎に太陽光パネル、電子黒板を設置し、耐震化工事も同時に行うことを考えている。また、介護関係の従事者が年収200万円程度といった低収入のために定着しないことにも懸念を抱いており、国の資金を注入して深夜手当てを支給したり、キャリアアップとともに主任手当てを支給するといった仕組みをつくるなど工夫し、介護人材30万人を確保する。また、患者が総合病院に集中して開業医のところに行かない、医者が偏在している、といった問題を解決するため「2次医療圏」といった構想もある。医療介護だけでなく教育、農林水産業といった分野でもコミュニティと現場力の再生を図り、すべての国民が医療、介護、子育て支援、教育などの機関サービスに確実にアクセスできる社会をつくる必要がある。

――内需へのシフトが必要だといわれている…。

 日本は今まで外需が好調だったので内需がおざなりになっており、優秀な人材も外需のほうに流れていた。ピンチは最大のチャンスともいえるが、これを機に外需に傾いていた人・モノ・金・技術を内需に向けさせなければならない。財政再建を一旦棚上げしてでもやらなければいけないため、これまでは躊躇してきたが、百年に一度の危機という状況の中で逆にこれをチャンスととらえ、大胆に財政出動を行うべきだ。一方で、21世紀型インフラ整備でアジアの中核拠点を形成するという観点からも、国際競争力インフラの整備、人材力強化・研究開発の推進、IT分野・電子政府の加速化に全身全霊で取り組み、フロントランナーとしての地位を回復させたい。

――地方と都市の格差については…。

 地方の財源不足により追加的な対策が難しいといったことを勘案すると、地方負担分を実質保証する新たな交付金は欠かせないだろう。また多年度に亘る政策ニーズに応えるため基金方式の創設も考えており、「安心子ども基金」や「地域医療再生基金」といった基金方式の活用が必要だ。また、需要不足に対処するため、中小企業の活動支援のための交際費課税の見直し、高齢者の資産を活用して住宅取得などを支援するための生前贈与の促進、民間の研究開発投資の確保など、税制制度改革についても検討している。

――少子化対策については…。

 政府ができるのは女性が働きながら子育てができるといった環境をつくることだ。実際子供が欲しいのにできないという方のために不妊治療を充実化させたり、保育所をつくったりすることはできるが、所詮できることは限定的だ。そもそも日本は米国のように移民がたくさん来る国ではないので出生率の低さはある程度仕方がないのかもしれない。ただ、低所得のためになかなか結婚できなかった契約社員が、正社員になったとたんに結婚できたり、地方に工場ができ経済が活性化すると出生率が高くなるというケースもあり、そういう意味でも景気を良くするということはとても大切だと思う。