国務大臣 金融・郵政改革担当 国民新党 亀井 静香 氏

国務大臣 金融・郵政改革担当 国民新党 亀井 静香 氏

頑張る気力のある人に返済猶予


聞き手 編集局長 島田一

――8月の全国消費者物価指数は4カ月連続で過去最大の下落率を更新。デフレ対策が求められる中、日銀は、年末に企業CPオペや社債買い取りオペを打ち切る方向で検討に入った…。

亀井 そのような話が正式に日銀からこちらに届いているわけではないが、もし、そういうことをやろうとしているのであれば、それはおかしな話だ。私はかつて運輸大臣、建設大臣の経験をしてきたが、これまで日銀が通貨の番人としてきちんとした役割を果たしてきたかというと、それには少し疑問がある。これは日銀にも、我々政府にも言えることだが、実体経済をきちんと見なくてはならない。そして、統計の数字の奥にあるものを読み取る力がなければ駄目だ。その奥にある動きを見なければ、トップとしての責任は果たせない。成長率にしても、率だけをみるのではなく、その中身が将来に向かって伸びていく力をもっているのかどうか、富の配分がきちんと行われながら経済が伸びているのかどうかをみることが必要だ。そのような眼を持つことが、特に政治家には大切だと思っている。

――大臣は国民の皮膚感覚を良くわかっていらっしゃる…。

亀井 わからない。わからないが、わかろうと努力している。わかっていると思ったら間違えてしまうから。

――返済猶予策はやり方によっては非常におもしろい。上手く使えば金融緩和や景気回復、そして国民のためになる…。

亀井 これは11月の臨時国会で法制化して直ちに施行する。この件に関しては昨日今日で浮かび上がってきた案ではない。昨年からずっと鳩山総理と話をしてきたことであり、意見も全く一致している。だからこそ総理は私を金融大臣に指名したのだ。財務大臣と金融大臣を一緒にして任命しても良かっただろうに、わざわざ私のような警察の脱走兵を(笑)、金融が分かっているとは思えない男を、金融担当大臣として選んだ。

――モラトリアムの具体案は…。

亀井 これは中小企業・零細商店やサラリーマンに「頑張るぞ」という気力が出てくるように、頑張る気力のある人に対して当面の借金返済を猶予するというものだ。頑張る気力のない人に対しては、その場で整理をしたほうが本人のためになると考えている。また、借金返済を猶予した場合に新たな貸付けへの影響を心配する声もあるが、そういった配慮もきちんと行う。まずは仕事を出来るような状態にすることが大切だ。そして、今、現実社会の中で起きているような、大企業が下請けの中小零細企業に少しの儲けも出ないような値段で仕事を押し付けたりするのではなく、昔のように、下請けも孫請けも利益が出るような発注をしていかなければならない。そういう仕組みに向けてトータルで取り組んでいかなければ今の状況から抜け出すことは出来ないという考え方において、鳩山総理と私の考えは全く同じだ。

――日本郵政の見直しについて、年金の取り扱いなども行わせるべきだという声もある…。

亀井 それはいい案だ。年金や介護の取り扱い、その他、郵政の見直しについては鳩山総理も色々なアイデアを持っていらっしゃるため、これから新たな事業展開をさせて行きたいと思っている。ただ単に小泉元総理大臣がガタガタにしてしまった前の状態に戻すのでは意味がない。11月には郵政株の売却凍結法案と見直しに関する基本法案を提出し、経営陣も変えていくつもりだ。地域のため、国家経済のために日本郵政を有効活用することを考えると、私は今、楽しくて仕方がない。

――具体的にどのように事業展開をなさっていこうとお考えなのか…。

亀井 それを今、大塚耕平副大臣と長谷川憲正総務大臣政務官、田村謙治内閣府大臣政務官と一緒に検討しているところだ。私にも色々と考えがあるが、どういう事業展開を行うのかは、少ない時間の中ではあるが、じっくりと話し合わなければならない。これから繰り広げられる展開によって状態が変わっていくのだから、責任を持って国民のためになる事業展開が出来るような案を考えていきたい。(了)