3年間で売り上げ2倍を目指す

3年間で売り上げ2倍を目指す

シティマートホールディングス
ディレクター
ソー モー トウ 氏



聞き手 編集局長 島田一

――シティマートは大変成功している。

ソー モー トウ 氏 シティマートが営業を開始したのは1996年だ。当初は家族経営で、私の妻が会社を興した時スタッフは20名しかいなかった。私が携わったのは妻と結婚してからだ。それ以前はシンガポールで8年間働いており、8年前に入社した。シティマートは今やミャンマー最大の小売会社だ。具体的には、14のスーパーマーケット、4のハイパーマーケット、18の薬局、そして17のベーカリー&カフェ、11のコンビニエンス・ストアといくつかのブック&ミュージックストアを持っている。わが社はスーパーマーケット業界、ハイパーマーケット業界、薬局業界、ベーカリー&カフェの四つの業界でリーダー的存在と言えるだろう。

――業績も拡大の一途だ…。

ソー モー トウ 氏 年間売上高は1億ドル以上で、依然成長中だ。従業員は約3900人だが、グローバルに活躍するスーパーマケットチェーンに比べればまだまだ少ない。逆に言えば、我が社にはこれから発展の余地が大いに残されているということでもある。このため、グローバルな企業に早く追いつけるように努力していきたい。
そもそも、ミャンマーではスーパーマーケットの数はまだ少なく、昔ながらの個人経営の小売店舗が圧倒的に多い。現状では、ミャンマーの小売業における近代的なスーパーマーケットやハイパーマーケットのシェアは10%以下だ。日本のような成熟した社会に比べると、かなり低いだけに、成長の余地はまだかなり大きい。

――今後、日本からはコンビニエンス・ストアなどが進出してくると思うが、そういった外国企業の参入にどう対抗していくのか…。

ソー モー トウ 氏 外国企業の進出に対しては我々も準備を整えている。例えば人材や資本を蓄積しているし、また新しい技術ノウハウを常に取り入れている。特に重要な我々の強みは、先にマーケットに参入し、理想的な場所(土地)を押さえていることだ。現地経済や文化に関する知識でも、外資に対して優位だ。競争に打ち勝っていく自信はある。

――日本の企業と提携して更なる拡大を目指すというやり方もあると思うが…。

ソー モー トウ 氏 日本の企業と我々は、色々な部分で協力していけるところがあると考えているし、そうした分野を開拓する必要がある。日本企業では、セブンイレブン、ローソン、イオンなどは存じている。すでに我が社はコンビニエンスストアチェーンを展開しているため、競合する部分も確かにある。しかし一方で、イオングループとは共同でフィジビリティスタディ(事業可能性調査)を実施するなど、協力を行っている。

――国内の競合関係については…。

ソー モー トウ 氏 シティマートは現在、近代的なスーパーマーケット分野ではミャンマーで一番手といえると思う。一方でハイパーマーケット分野では競合会社がたくさんある。小売業では我々こそがリーダーだと自負はしているが、今後もライバルに負けないようにしっかりと会社を進化させて勝ち抜いていかなくてはならない。

――ミャンマー経済はこれから拡大していく段階にある。そのため企業が淘汰されるという心配はあまりなく、激しい競争はないと予想するが…。

ソー モー トウ 氏 私はそうは思わない。これから市場が活発になるにつれて、徐々に競争も激しくなると考えている。だが、同時に近代的小売業の発展余地が大きく残されているのは確かだ。今後、ヤンゴンやネピドーといった大都市圏が小売業拡大の舞台となると思う。

――今後の中期的な計画は…。

ソー モー トウ 氏 今後3年間で、利用者の数を2倍にすることを目指している。売上げも二倍にできれば、と考えている。また、現在14店舗あるスーパーマーケットを、18店舗に増やしていきたい。

――日本の協力の下、株式市場が設立される。上場する考えは…。

ソー モー トウ 氏 もちろん上場は選択肢の一つだ。資金調達の選択肢は多いほうがいい。株式発行にはリスクもコストもあるため、慎重に考えていきたいが、現在大和証券と上場に関して協議しており、2014年頃に上場する可能性もある。日本といえば、政府系の公的機関、例えばジェトロやジャイカなどと我々は緊密な関係を築いているが、彼等のサービスには大変満足している。また、最近、我が社に多くの日本の商社や銀行が接触してきている。例えば丸紅や伊藤忠、三菱東京UFJに三井住友銀行などだ。現状では日本の銀行は、支店をミャンマーで開設することが法律で規制されているが、そのうち政府が規制を緩和するのではないかと思っている。

――日本語表記の商品を見ると、タイよりも値段が安いようだ。その理由は…。

ソー モー トウ 氏 恐らく日本から直接輸入したものだからだろう。もしくはタイではマージン率が高いか、あるいは関税が高いのかもしれない。各国によって税率はもちろん違うが、ミャンマーでは、商品の種類によっても変わってくる。

――今後力を入れていく商品は…。

ソー モー トウ 氏 今後我々が力を入れていくのは、海外で売られている商品の取り込みだ。現在仕入れている商品は、直接輸入でなく業者経由のものが多いが、海外の商品が集まる展示会などにこまめに足を運び、独自の商品を仕入れて生きたい。そして良いものや目新しい物があれば積極的に取り入れて、ミャンマーの人達に提供していきたい。

――海外の商品を取り入れるにあたって、特に気にしている地域は…。

ソー モー トウ 氏 隣接しているタイや中国といったアジア地域を主要な貿易国と考えている。やはり国境がつながっていると売買もしやすいからだ。ただ、現状でも殆どあらゆる地域から買い入れている。今後も日本や韓国、マレーシア、南アフリカに欧州にアメリカと、世界中へ仕入先を拡大していくつもりだ。(了)